アワ、コドモ、ツノツノ

窓の外では蝉が鳴いて、だれかが低反発の枕を干して、パチスロがじゃらじゃらして、道路が掘り返されて、津波が来て、テポドンが飛んで、ガソリンが高騰して、冥王星が降格して、皇室に男子が誕生して、近いところや遠いところで、小さかったり大きかったりするいろいろなことが起こって、おはようございます、お元気ですか? わたしたちみんな、アワ、コドモ、ツノツノ。みんな楽しく生きてます。真夏の朝のラジオ体操、空を飛ぶ白い鳥たち、世界はいつもぶよぶよしてる。わたしたちみんな、アワ、コドモ、ツノツノ。床の上に茂ったり、お風呂のお湯に浮かんだり。やあ、元気? きょうも増えてる? みんなでぎっしり畳に座って、テレビのなかで、高い崖から白い飛行機が飛ぶのを見る。下に見える、どこか知らない町を見下ろし、その町に住む人などだれも知らないのに、なぜかなつかしい気持ちになる。みんなでぞろぞろと学校に行き、校庭のすみの水道で顔を洗い、百葉箱に潜り込み、ひんやりした床に眠る。アスファルトの道を歩き、その道がどこまでも伸びて、時間がどこまでも伸びて、それがいつかビル街になり、走る電車の窓から光るネオンを見ている。あのね、聞いてる? アワ、コドモ、ツノツノ。わたしたちはこんな世界で生きて、色とりどりに翳っていたよ。わたしたちみんな、アワ、コドモ、ツノツノ。大きくなったり小さくなったり、増えたり減ったり、のびたり縮んだり。かたんと音がして、また新聞が届く。長い昼寝をしていました。窓の外で蝉が鳴いて、空はまっさら。夕立が来たあとでした。たなびいている、アワ、コドモ、ツノツノ。電線が光って、きれいだったね。電波のようです、アワ、コドモ、ツノツノ。楽しいんです、うれしいんです、栄養があるんです、死んでも、いくらでも、増えるんです。はずんでいる、アワ、コドモ、ツノツノ。はじけていく、アワ、コドモ、ツノツノ。あふれていく、アワ、コドモ、ツノツノ。お尻もお臍もピカピカです。ふくらんでますね、アワ、コドモ、ツノツノ。アワ、コドモ、ツノツノ。






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